千葉県柏市の住宅敷地内で昨年12月、住人の50代夫妻が刺殺され、近くの住宅8棟が全焼した事件で、殺人などの疑いで逮捕され、鑑定留置を受けていた酒巻馨容疑者(78)について、千葉地検は20日、殺人や現住建造物等放火などの罪で起訴した。刑事責任が問えると判断したとみられる。 起訴状などによると、被告は昨年12月18日午後6時ごろ、柏市内の夫妻方で、夫妻の胸などを所有していた牛刀(刃体約21センチ)で突き刺すなどして殺害。約20分後には、被告宅を含む住宅3棟の周辺にガソリンをまき、ライターで火を付けた新聞紙を投げ入れて放火し、計8棟を全焼させたなどとされる。 柏署捜査本部は同月19日、被告の行方を追い、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕。全焼した住宅への現住建造物等放火容疑、夫妻に対する殺人容疑と逮捕を重ね、千葉地検が今年3月14日~今月16日まで、刑事責任能力などを調べる鑑定留置をしていた。 同捜査本部によると、被告と夫婦は長年にわたって知人関係にあり、被告が金を貸すなどして金銭トラブルになっていた。