警察官をかたるニセ電話詐欺の被害者に遭った80代男性が、だまされたまま詐欺の「加害者」に仕立てられるという事件がありました。 男性は書類送検されています。 警察によりますと、福岡市西区に1人で暮らす84歳の男性の携帯電話に5月、大阪府警の警察官を名乗る男から電話がありました。 男から「あなた名義で契約された携帯電話が犯罪に利用されている。このままでは逮捕される」「通帳を渡してほしい」などと告げられた男性は、自宅を訪ねてきた人物に通帳を渡してしまいました。 その後も、「資金調査に協力してほしい」などと電話を受けた男性は、大阪府警の「秘匿捜査」と信じ込んでしまいます。 犯行グループの次のターゲットは、福岡市東区の当時88歳の女性でした。 女性には事前に電話で警察官を名乗って逮捕をちらつかせ、「警察官のOBを行かせる」と告げた上で、現金と通帳の受け取り役として、先ほどの84歳の男性を向かわせたのです。 「捜査の一環」と信じて疑わない2人は、実名で自己紹介を交わしたということです。 翌日、男性は現金などを渡すため、新幹線でひとり大阪へ向かいますが、誰からも連絡がないため大阪府警本部へ向かいます。 そこでようやく一連の事件が明るみになりました。 男性は詐欺事件に利用させられて落ち込んでいるということで、警察は男性に詐欺の意思は認められないと判断。 起訴を求めない意見を付けて20日に書類送検しました。