退職金は日枝久氏のみ 『楽しくなければテレビじゃない』は「功罪半ば」 フジ清水賢治社長 株主総会後に会見

東京都内で25日に行われたフジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)の株主総会を経てフジ・メディアHDの社長に選任されたフジテレビの清水賢治社長(64)が総会後、東京・台場の同局で会見を行った。 総会後、取締役会を経ての会見。冒頭で清水社長は株主総会の新役員選任の結果を報告。フジ・メディアHDとフジについて「経営体制が完全刷新されました会社提案をご支持いただいた株主のみなさま、そして、このたび、株主総会を通じて(会社が)生まれ変わるために真摯(しんし)にご検討をいただいた株主のみなさまに心より感謝を申し上げます」とあいさつ。 株主総会では、退任した役員のうち退職金を支払うのは長年”フジのドン”として取締役に君臨した日枝久氏のみであることを明かした。その理由を聞かれ「退職慰労金制度を2008年に廃止したが、それまで勤めていた人たちへの支給が決まっております」と説明。支給額については「個別の退職金の開示はしておりません」とした。 日枝氏への率直な思いを聞かれると「1980年代の躍進は日枝氏の功績だった。スローガンに掲げた『楽しくなければテレビじゃない』は画期的な民主化だと思った。ところが、その言葉自体を曲解した人たちが出てきてしまった。それを戒めるために脱却しなければと思った。80年代、90年代の功績は大。しかし、その後、フジが落ちてきたのは責任があると思うので、功罪半ばだと思います」と話した。 4月以降は増加しているというものの、同局に対して、CM出稿を控えている大手企業は多いのが現状。清水社長は「(各企業から)改革プランについては評価はいただいていますが、社会でどう認識されるかを気にしている企業の方が多かった。今回、改革プランを実行するという意味でこの体制が信任されたと思うと、一歩進んだのかなと思う」と見解。 株主総会直前、社員の違法オンラインカジノ問題で逮捕者まで出てしまった。その件に関しては「重く受け止めている。株主総会の中でも厳しい質問が出た。この社員に関しましては、4、5月の調査で出てきた案件。実際の解明については警視庁に委ね捜査に全面協力した。また新たな証言が出てきたので、それを踏まえ、必要があれば厳正に処分したいと思います」とした。 一連の問題についての検証番組の放送予定を聞かれると「オンエア日は確定しておりません。『7月中にも放送を考えたい』と聞いておりますが、決定ではありません」と話した。 先ごろ、清水社長は元タレント中居正広氏(52)とのトラブルで被害を受けた元女性アナウンサーに謝罪したことを公表。その際、会社として被害者への誹謗(ひぼう)中傷対策に取り組むことも公表したが「(被害者と)一緒に立ち向かい、少しでも支えになれば。対策チームを強化したので、チームで会社として対応していく」とバックアップ体制を明かした。 一方、株主総会でも質問が出た中居氏への法的措置については「法律家に見解を求めているので、そのうえで対応することになると思う」とした。

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