詐欺に使われていることを知りながら電話回線を提供したとして、警視庁戸塚署は、電子計算機使用詐欺幇助(ほうじょ)の疑いで、千葉県富里市のとび職、板倉裕也容疑者(33)を逮捕した。「金欲しさに被害を発生させてしまった」と容疑を認めている。 同署によると、板倉容疑者はX(旧ツイッター)で高額報酬の仕事を募集しているのを見つけ応募。指示役とみられる何者かとカカオトークでやりとりし、10万円を受け取って架空の電気通信事業者の代表となった。板倉容疑者名義でIP電話回線500件が契約されていたという。 板倉容疑者は指示役を含め、「誰とも会ったことがない」と話しているという。 逮捕容疑は、令和6年4月下旬、IP電話回線利用サービスを提供し、何者かが厚生労働省職員になりすまして70代女性への還付金詐欺に悪用するのを幇助したとしている。女性は約1800万円をだまし取られたという。 同署の捜査の結果、板倉容疑者名義で契約された500件のIP電話回線が悪用された詐欺被害は、同年3月下旬~5月中旬、26都道府県で計4億6000万円に上るとみられる。