日大重量挙げ部の元監督が、奨学生の保護者らから授業料などを不正に徴収していたとされる事件で、警視庁捜査2課は詐欺の疑いで、元監督で無職、難波謙二容疑者(64)=東京都狛江市=を再逮捕した。調べに対し、「寄付金として保護者の了解を得ていただいたお金だと思っていた」と話している。 同課は難波容疑者が少なくとも平成27年度以降の約10年間、入学予定者計48人から計約3795万円を不正に徴収していたとみている。 逮捕容疑は令和5年12月ごろ、同部の40代の男性コーチと共謀し、奨学生として入部予定の生徒の保護者4人に対し、「2年目以降スポーツ奨学生で申請予定。1年目のみお支払いください」などと、本来免除される施設整備資金などの入金を求める文書を郵送し、架空請求分計約262万円を含む計約537万円を振り込ませてだまし取ったとしている。 捜査2課によると、5年12月下旬~6年4月、部の口座から詐取金を含む計約1500万円をコーチが引き出し、難波容疑者に現金で手渡していた。一部は難波容疑者の飲食代、歯の治療費などに充てられたほか、不審に思って問い合わせた保護者に返還したケースもあったという。 難波容疑者は10日、同様の手口で別の入部予定者の保護者4人から計約205万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで警視庁に逮捕されていた。