取り調べ拒否Tシャツ「没収は違法」と弁護士ら提訴 大阪府警は「危険物の可能性」

大阪府警の留置施設で「私は取調べを拒否します」とプリントされたTシャツを没収されたのは黙秘権と弁護権の侵害だとして、Tシャツを着用していた男性とその弁護人が1日、大阪府を相手取り計385万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。 訴えを起こしたのは、高齢の母親を自宅に放置し、死亡させたとする保護責任者遺棄致死の疑いで昨年12月に大阪府警羽曳野署に逮捕された50代の男性被告=同罪で起訴=と松本亜土弁護士。 訴状によると、逮捕後に接見した松本弁護士は男性が精神的に追い詰められた様子だったため、誘導的な質問に不用意に回答してしまうと判断。取り調べを拒否し、取調室に連れていかれても黙秘するよう助言した。しかし男性が取調室で黙秘し続けることができなかったため、意思表示できるようTシャツを差し入れた、という。 ■府警「メッセージ性に問題」 翌日、男性が居室でTシャツを着ていると、同署留置管理課の職員が「メッセージ性に問題がある」「危険物に当たる可能性がある」として、Tシャツを脱がせ没収。その後男性は大阪地検堺支部で取り調べを受け、供述を強いられたとしている。 提訴後、大阪市内で会見した松本弁護士は「黙秘すると伝えても質問責めにあう取り調べは、黙秘権が保障されていないに等しい」と訴えた。

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