韓国・尹前大統領を再び逮捕 裁判所が逮捕状発付 拘置所に移送

韓国の特別検察は10日未明、尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領=内乱首謀罪などで公判中=を特殊公務執行妨害などの容疑で逮捕した。尹氏は今年1月に内乱首謀罪で逮捕・起訴された後、3月上旬に釈放されており、約4カ月ぶりに身柄を拘束された。 特別検察が6日に逮捕状を請求し、ソウル中央地裁は10日未明に「証拠隠滅の恐れがある」などとして逮捕状を発付。特別検察は直後に尹氏を逮捕し、ソウル拘置所に移送した。 尹氏は、1月に捜査当局が尹氏を逮捕しようとした際、大統領警護庁の幹部らに対して逮捕を阻止するよう指示した疑いがもたれている。逮捕容疑は他に、虚偽公文書作成・行使、職権乱用など。尹氏側は、いずれも容疑を否認している。 尹氏は3月の釈放後、妻の金建希(キムゴンヒ)氏とソウル市内の自宅で生活し、内乱首謀罪の公判では自宅から裁判所に出向いていた。 特別検察は昨年12月の尹氏による戒厳令宣布などを巡る事件の全容解明を進めている。 昨年10月に北朝鮮の首都・平壌上空に無人航空機(ドローン)が飛来した事件で、尹氏が軍に無人機を飛ばすよう指示して北朝鮮を刺激し、攻撃を誘発しようとした外患の疑いもあるとみている。特別検察は戒厳令の宣布条件を満たす「戦時などの国家非常事態」を作る目的があったとみている模様だ。今回の逮捕状に外患容疑は含まれていない。 聯合ニュースによると、特別検察はこれまでに複数の軍関係者らに事情聴取をした。今後、さらに捜査を進める方針。【ソウル福岡静哉】

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