逮捕の同僚を鑑定留置 トラブルなく、一方的恨みか 法律事務所刺殺・東京地検

東京・池袋の高層ビル「サンシャイン60」に入るアディーレ法律事務所で男性職員が刺殺された事件で、東京地検が15日、同僚の渡辺玲人容疑者(50)=殺人容疑などで送検=について、刑事責任能力を調べるための鑑定留置を始めたことが関係者への取材で分かった。 期間は2カ月で、9月14日までの予定。 2人の間には、トラブルや業務上の接点がなかったことも警視庁などへの取材で判明。渡辺容疑者は逮捕時に「恨みがあった」などと供述していたが、同庁は渡辺容疑者が一方的に恨みを募らせたとみて経緯を調べている。 事件は今月1日昼に発生。渡辺容疑者は自席で仕事をしていた芳野大樹さん(36)に突然後ろから近づき、折り畳みナイフで首を刺した。同容疑者は事件直後、近くの交番に出頭し殺人未遂容疑で逮捕された。「(芳野さんの)視線や態度に威圧感を感じ、不快に思っていた」などと供述していた。 同庁などによると、司法解剖の結果、芳野さんの首やのどには約10カ所の刺し傷があった。芳野さんは複数人の職員とチームで仕事をしていたが、同庁が聴取するなどしたところ、渡辺容疑者はチームメンバーのいずれとも接点はなく、トラブルも確認されなかった。 アディーレ法律事務所によると、2人は部署や業務内容、指示命令系統も別で、業務上深く関わっていた経緯はなかった。「(芳野さんに)落ち度も、責められるべき点も一切ないことを確認している」という。

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