「盗品かもしれない」と思いながら電線ケーブルを買い取ったとして、神奈川県警は、金属リサイクル会社「ナンセイスチール」の相模原工場長、ソン・イー容疑者(46)と、従業員ヤン・レイ容疑者(41)=いずれも中国籍=を、盗品等有償譲り受けと組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)の疑いで逮捕し、17日発表した。 ソン容疑者は「その時間には出勤していないから関わっていない」、ヤン容疑者は「この日のことは思い出せない」と話し、いずれも容疑を否認しているという。 捜査3課によると、2人は2024年7月11日午前5時ごろ、窃盗事件の容疑者らが工場に持ち込んだ電線ケーブル6本(時価約204万円)を、盗品かもしれないと思いながら、約61万円で買い受けた疑いがある。 県警は、同県平塚市内の下水道処理施設から電線ケーブルを盗んだとして、カンボジア人の男ら5人を窃盗容疑で逮捕。捜査の過程で、男らが電線を盗んだ直後に、同県相模原市緑区にある同工場に持ち込んでいたとみられることが判明した。 男らは早朝、作業着ではなく普段着姿で、複数の普通車のトランクなどに電線を大量に積み、工場に持ち込んでいたという。 こうした状況から一般的な回収業者とは考えづらく、県警は、容疑者らが盗品かもしれないと思いながら買い取った疑いがあると判断した。 同工場では24年以降、同じカンボジア人の男らから本件以外にも21回にわたり、電線ケーブル計11トン(約1025万円相当)を買い取っていたことがわかっているという。(稲葉有紗、小林日和)