熊本県警サイバー対策で専門職募集も 25日から高卒採用受け付け

熊本県警は、来年春、高校を卒業する人たちの採用受け付けを25日から始めます。 インターネットなどの普及でサイバー犯罪が増加する中、ことしは、サイバー捜査を専門的に行うことを前提に勤務する『サイバー専門職』の採用も実施します。 県内で多発している電話でお金詐欺。 ことしはすでに去年1年間分を上回る約4億7500万円の被害が確認され、過去最悪ペースとなっています。 こうした詐欺などに対応するため、容疑者の携帯電話の解析捜査などを行い、犯人逮捕につなげる部署が熊本県警にあります。 生活安全部サイバー犯罪対策課です。 2014年に設置されたこの部署では、パソコンやスマートフォンといった電子機器の解析や、不正アクセスの取り締まりを行うなど、サイバー空間の安全を守る業務を行っています。 【生活安全部サイバー犯罪対策課 課長 辻 直樹 警視】 「サイバー犯罪は広域に敢行されるので、全国警察と連携して国内外にまで捜査を展開する(部署)」 こちらは、警察庁が公開している全国のサイバー犯罪の検挙数の推移です。 年々、増加していることが分かります。 熊本県警によりますと、熊本も全国と同様に増加傾向だということです。 この日、行われていたのは、ノートパソコンのハードディスクの複写。 証拠保全の観点から、押収品をそのまま解析するのではなく、一度、データを複写して捜査を進めるのが一般的だそうです。 【堂前 泉紀記者】 「これは今、何をされている?」 【県警サイバー犯罪対策課指導教養係長 西川 知裕 警部補】 「(詐欺事件の)犯罪収益が暗号資産に換金されて流れているので、追跡している。犯罪の質というのは年々(捜査が)難しくなっていて、いたちごっこなところもあるので、犯罪者は次々に手法を変えてくるので私たちもそれに追いついていくような捜査をやっていく必要がある」 まさに、サイバー犯罪捜査のスペシャリスト集団ですが、多くの職員はこの部署に配属されてから専門的な知識を身につけたそうです。 【生活安全部サイバー犯罪対策課 課長 辻 直樹 警視】 「サイバーの技術は日進月歩どころか分とか秒の世界でどんどん進化しているので、そういった中でゼロベースで警察官のスキルを上げていくのはなかなか難しい」 サイバー犯罪捜査は専門性が高いため、熊本県警はサイバー専門職の採用も 行っています。 専門職で採用された職員は、警察学校に通うことや交番勤務をすることなどは一般の警察官と同じですが、基本的にはサイバー犯罪対策課をベースとした勤務を行うということです。 しかし、サイバー専門職は応募数が少ないのが現状で、さらに警察職員全体の応募数も減少傾向にあります。 これは、2020年度から昨年度までの熊本県警の採用状況です。 特に、昨年度の採用試験の応募者数は、大学卒業予定者の枠と高校卒業予定者の枠、いずれも男女ともに過去5年で最低でした。 警察官への応募数が減少している上に、サイバー専門職は特殊な分野のため、採用に苦戦しているということです。 こうした中、熊本県警はSNSなどを使い、警察職員採用に向けての告知を積極的に行っています。 ことしは、大学卒業者を対象にした採用はすでに終わっていますが、高校卒業者枠の採用は25日から受け付けを開始。サイバー専門職の募集も行います。 【生活安全部サイバー犯罪対策課課長 辻 直樹 警視】 「サイバー犯罪から県民の安全・安心を守るという熱い気持ちを持った人たちに 応募してもらいたい」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする