慶尚北道安東市(アンドンシ)の高校で発生したテスト問題用紙流出事件に関連し、この生徒は入学から2年半の間、盗み出した問題用紙を利用して全校トップの成績を維持してきたことが明らかになった。 慶尚北道安東警察署は23日、元期間制教師A(31)と、学校に侵入してテスト用紙を常習的に盗んできた容疑(特殊窃盗および夜間住居侵入窃盗、賄賂供与など)で保護者B(48)、犯行を助けた学校行政室長C(30代)を拘束して送検した。 Bの娘の高学3年のD(10代)も不拘束で送検した。Dの担任だった元期間制教師Aは18日に拘束、送検された。 ◆教師・保護者・行政室長加担の犯行 警察によると、AとBは4日午前1時20分ごろ安東市の女子高の職員室に侵入するなど、2023年から最近まで計10回にわたりDが在学中の高校に無断侵入し、テスト問題用紙を常習的に盗み出した容疑を受けている。Dはこうした事実を知りながらもテスト問題と正解を覚えて試験を受けた。 警察によると、Aが同校に在職中だった2024年2月まではAが問題用紙を入手し、Aが退職した後はBとともに学校に無断侵入して問題用紙を盗んだり携帯電話で撮影したりしたという。BはAから問題用紙を受けるたびに数百万ウォンずつ、計2000万ウォン(約210万円)ほど渡したことが把握された。 ただ、Cの場合は金銭取引など容疑は確認されず、証拠隠滅、ほう助などの容疑だけが適用された。CはA、Bの侵入を黙認し、学校の監視カメラ映像保存期間を短縮したり映像を削除したりしたことが把握された。 数年間続いた犯行は、AとBが4日午前1時20分ごろ学校に密かに入ってテスト用紙を盗もうとしたところ、校内の警備システムが作動して摘発された。2人はこれに驚いて逃げたが、翌日、警察に逮捕された。 ◆生徒の家庭教師をした疑いも Aが指紋を通じて学校に入ることができたのは、退職後にも校内の警備システムに指紋情報がそのまま残っていたからだ。パスワードまで正常に入力して教務室に入ったにもかかわらず警備システムが作動したのはシステムエラーのためとみられる。システムが誤作動して非常ベルが鳴っていなければ、AとBは誰にも気づかれず期末テストの問題用紙を盗んで学校をそのまま出ていた可能性が高い。 AとBはDが中学生だった2020年に教師と保護者として初めて会った。当時、現職教師だったAがDに家庭教師をしていたと警察はみている。現行法上、現職教師は別途の許可なく家庭教師をすることはできない。Aには教育公務員法違反容疑、B氏に現職教師を家庭教師に採用した容疑(学習塾設立運営および課外教習に関する法律違反)が適用されたのもこのためだ。 Dは高校の内申評価で一度も全校トップを逃していないことが分かった。学校側はDを退学処分とし、1・2・3年の全成績をすべて0点で処理した。毎回満点または1問ほど間違える程度の成績だったDは4日の期末テストで数学は40点、倫理は80点を受けた。同校の教師らはBの娘が校内の試験はトップを維持しながらも校外の模擬試験の成績は振るわず「内申に強い生徒」という程度で考えていたという。 慶北教育庁は今回の事件をきっかけに生徒評価関連システム全般を再点検し、警備システムを全面的に強化するなど予防中心の管理改善案を用意して推進する計画だ。