SNSで知人女性を脅したなどの疑いをかけられ、大阪府警に2度、誤認逮捕されたとして、20代の男性会社員が24日、府(府警)や国などに計約2千万円の賠償を求めて大阪地裁に提訴した。「犯人と決めつけられ、必要な捜査が後回しにされた」と訴えた。 記者会見を開いた原告代理人の秋田真志弁護士は「客観的な証拠を収集していれば原告が犯人でないことは明白だった。捜査の問題点を明らかにし、二度と同様の冤罪(えんざい)が繰り返さないことを求めたい」と話した。 男性は「今回の裁判を通じて金銭的な補償はもちろん、誤認逮捕に至った警察の取り調べの問題点を明らかにしてほしい」とコメントを寄せた。 訴状などによると、男性は2023年4月に脅迫などの容疑で府警守口署に逮捕された。アリバイがあると説明して容疑を否認したが、翌月には女性の性的な写真をその友人に送ったとしてリベンジポルノ防止法違反容疑で再逮捕され、釈放まで42日間拘束された。 その後、府警は誤認逮捕だったと発表し、男性に謝罪した。女性の気を引こうと、SNS上で男性になりすました元美容師が、脅迫などの容疑で逮捕・起訴され、有罪判決が確定している。 男性側は「発信元の特定や女性の被害申告の裏付けなど、必要最低限の捜査が行われなかった」と主張。取り調べで警察官から「ポリグラフ鑑定は真っ黒だ」などと言われ、自白を強要された、とも訴えている。(遠藤美波)