警察官をかたる特殊詐欺の「受け子」として愛知県警に23日に詐欺容疑で逮捕された名古屋市の70代の男が、以前に同様の手口で約1億2千万円の詐欺被害にあっていたことが県警への取材でわかった。県警は、男が被害後、詐欺グループに入り「だます側」になったとみて経緯を調べている。 逮捕されたのは、無職沢井晴彦容疑者(73)=同市南区。県警によると、沢井容疑者は6月2日、他の人物が警察官などをかたって同県春日井市の無職女性(88)に「あなたの口座に大きなお金が振り込まれている。犯罪に使われている」などと電話した後、女性宅を訪問。自身も警察官を装い、キャッシュカード2枚を詐取した疑いがある。「指示されてカードを受け取りに行った」と容疑を認めている。 一方で、沢井容疑者は4~5月に警察官をかたる特殊詐欺で約1億2千万円をだまし取られた被害者だった。受け子として複数の詐欺事件に関与した可能性があるといい、県警は被害後に詐欺グループから勧誘されたとみて調べている。(高橋俊成、野口駿)