勝手に作った合鍵で同僚女性の自宅に侵入したとして、男が逮捕されました。男はインターネットで合鍵を作っていました。 ■男が合鍵作り女性宅侵入か 時折目を伏せながら、警察官に連れられていく男。白井孝和容疑者(51)です。 事件が起きたのは今年4月ごろ。男は19歳の女子大学生の自宅に合鍵を使って侵入。盗んだのは、女子大学生が写った写真シール2枚でした。 2人は店長とアルバイトの関係。白井容疑者は女性のシフトを把握し、働いている時間帯を狙って侵入を繰り返していたとみられます。 取り調べに対し、男は容疑を認め…。 白井容疑者(51) 「好意を持っていた。ストレス解消の一環でもあり、部屋に行くと癒やされた」 警視庁は少なくとも13回の侵入を確認。押収したスマホからは、女性の下着の写真が数十枚見つかりました。 ■合鍵作製の手口とは? そもそも、どうやって合鍵を作ったのでしょうか。 警視庁によると、白井容疑者は店のバックヤードで女性のかばんから鍵を取り出し、スマホで撮影。その写真をもとに、インターネットで合鍵を注文していたといいます。 写真だけで合鍵が作れるのでしょうか。鍵のプロに聞きました。 カギの救急車渋谷店 上野宮祐店長 「鍵の裏にキー番号、アルファベットと数字で記されているが、この番号を盗み取り、もしくは書き取ることで番号だけで合鍵を作ることができる」 数字とアルファベットを組み合わせたキー番号は、鍵の一つひとつに割り当てられた固有の情報です。メーカーは番号ごとに鍵の設計図を管理していて、この情報さえあれば2週間ほどで合鍵を作れるといいます。 上野宮祐店長 「(ネットなど)キー番号から合鍵を作る業者が増えているので、不法行為をする人が増えているので、すごく注意しなくちゃいけない」 実際、キー番号をもとにネットで合鍵を注文し、住宅に侵入する事件は後を絶ちません。 日本ロックセキュリティ協同組合によると ネットでの注文は違法ではないといいます。一方で、注文者が鍵の持ち主かどうか業者が確認する方法がないため、悪用目的だと見抜くのは難しいといいます。 今回の事件は、ある偶然から発覚しました。先月、白井容疑者が侵入した際、部屋に遊びに来ていた女性の友人と鉢合わせ、逃走。 その後、白井容疑者は女性から電話で「家に変なおじさんが来た。早くあがりたい」などと相談を受けると、代打として店のシフトに入ったといいます。 ■合鍵作らせない対策は? 勝手に合鍵を作られないためにはどうすればいいのでしょうか。 上野宮祐店長 「持ち歩いている鍵の番号はできれば削り取ってしまう」 まずは削る。鍵の番号が見えなければ、写真を撮られても合鍵を作られるリスクは大きく減ります。 ただし注意も必要です。番号を削ると、その情報をもとに自分で合鍵を作ることができなくなるため、削る前に番号を控えておきましょう。 次の対策はあえて「合鍵」を使うこと。街の鍵店で作った合鍵には番号の刻印がないため、たとえ見られても、ネットで注文される心配はありません。 そして何より大切なのは、鍵の扱い方です。 上野宮祐店長 「飲食店などで席を立つ時は、財布と一緒に鍵は必ず持って、肌身離さず持った方がいい」