PKKがついに武装解除…死者4万人・40年以上の「クルド人問題」がそれでも解決と言えない理由

トルコからの分離独立を目指して戦ってきたクルド労働者党(PKK)が、武装解除と解散の手続きを開始した。 7月11日にイラク北部のクルド人自治区スレイマニアで行われた式典は、新しい時代の始まりを予感させる感動的なものだったと、多くの参加者が語っている。 クルド人自治区の政府高官やジャーナリスト、国際監視団が見守るなか、PKKの指導者4人と兵士26人が野外ステージに上がり、武器を火にくべる象徴的な姿を示した。 40年以上にわたるPKKの闘争は4万人の死者を出し、トルコとイラク、イラン、シリアにまたがる地域に暮らす3000万人以上のクルド人のアイデンティティーと政治に大きな影響を与えてきた。今後、PKKは政治対話と地域協力に舵を切ることになる。 さらに衝撃的だったのは、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領の翌日の発言だ。クルド人の独立要求を一貫してはねつけてきたエルドアンだが、拉致や暴力、村落の焼き打ち、家族の強制退去などトルコ政府のやり方に間違いがあると認めたのだ。 こうした手法は、対立を沈静化するどころか、悪化させることになったと、エルドアンは認めた。「誰もが代償を払った」とエルドアン。さらに、「昨日の式典で、トルコは痛みと涙を伴う歴史の1章に終止符を打ち始めた」とも述べた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする