合成麻薬フェンタニル、国内で17件摘発 いずれも医療用を悪用

米国で乱用が社会問題となっている合成麻薬「フェンタニル」をめぐり、警察庁は25日、国内でフェンタニルに絡む事件が2000年以降、17件あると明らかにした。いずれも医療用のフェンタニルを悪用した事例といい、警察庁は「これまでのところ、密輸や不正薬物の乱用事件はない」としている。 フェンタニルは鎮痛薬の一種で、国内では医師の処方のもとに注射や湿布薬として使用されている。正当な医療目的以外の使用や所持は麻薬取締法で禁じられている。一方、米国では、密輸された非正規品が流通し、乱用者が死亡するなど問題となっている。 警察庁は今回、米国などで問題化していることをふまえ国内の乱用実態を把握する必要があるとして、摘発状況を調査。その結果、都道府県警からの報告で、00年以降、17の事件の摘発が確認された。 いずれも医療用のフェンタニルを正規の目的とは違う使い方をした事件で、医師ら医療関係者が摘発されたのが15件、処法を受けた人の流用が2件あった。麻酔科の医師が自身に注射したとして今年1月に麻薬取締法違反容疑で逮捕(宮城)▽女が処方された湿布を交際相手の男性に貼るなどして死亡させたとして23年に麻薬取締法違反と傷害致死容疑で逮捕(警視庁)――などという。

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