伊万里市強盗殺人事件でベトナム人技能実習生逮捕 外国人への厳しい目を懸念 「一人一人人格のある人間として見て」

伊万里市東山代町の強盗殺人事件で27日に逮捕されたダム・ズイ・カン容疑者(24)は、ベトナム国籍の技能実習生だった。市内には約900人の外国人が暮らしており、地域との交流を支援する人たちは「許されるものではない」とした上で、外国人全体に厳しい目が注がれることを懸念する。 佐賀県警は26日の事件発生直後、容疑者の特徴を「外国人風」と発表した。翌27日、市内では2カ所で外国人と地域住民の交流イベントが開かれ、事件のことが話題に上った。 インドネシアの技能実習生ら約500人の外国人が暮らし、人口の2割近くを外国籍が占める黒川町では、相互理解を目的にした夏祭りを初めて開催した。実習生として来日して20年以上たち、現在は教育係をしているカルドノ・サバルさん(45)は「今後も実習生が増えていく中で、悲しい事件」と声を落とした。 祭りは、実習生の受け入れを仲介する大手の監理団体「国際人材育成機構」(東京都)が企画した。金森仁会長(70)は「事件により外国人に厳しい目が向けられるかもしれないが、十把ひとからげに見るのではなく、一人一人人格のある人間として見てほしい。ほとんどの実習生は真面目に仕事し、礼儀正しく暮らしている」と強調した。 松島町の市生涯学習センターでは「多文化ジョイントコンサート」が開かれ、ベトナム、韓国、インドネシアの人らが歌や踊りを披露し合った。主催者の日本語教室いまり代表の中村章さん(66)は事件について「悲しくて残念。決して許せることではないが、なぜ犯罪を犯すに至ったのか、背景を知りたい」と話した。(青木宏文)

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