カンボジア拠点詐欺 日本人29人の逮捕状請求へ 愛知県警

カンボジア北西部で5月、特殊詐欺に関与したとみられる日本人29人が拘束された事件をめぐり、現地から「かけ子」をしたなどとして、愛知県警が詐欺容疑で29人全員の逮捕状を請求する方針を固めた。8月下旬にも日本に移送して逮捕する。捜査関係者への取材でわかった。東南アジアを拠点とした国際的な詐欺事件が相次ぐ中、県警は組織の全容解明をめざす。 捜査関係者によると、29人はタイとの国境付近に位置するカンボジア北西部・ポイペトの拠点で特殊詐欺のかけ子をしていたとみられる。年代は10~50代で、28人が男、1人が女。うち3人は10代の少年という。 29人は拠点から警察官などをかたってうその電話をかけ、現金をだまし取った疑いがある。拠点からは、偽物の警察の制服なども見つかっているという。県警は、現地に80人前後の捜査員を派遣し、チャーター機を使って8月下旬にも29人を日本に移送する方針。 事件をめぐっては、現地当局が5月にポイペトの拠点を捜索して29人を拘束。県警も6月に捜査員を現地に派遣していた。県警によると、摘発の端緒となったのは、昨年12月に大手求人サイト経由で応募し、現地に渡航した愛知県内の男性からの情報提供だった。男性の説明では、現地では8人ほどの中国人の管理下で、日本人が警察官をかたってかけ子をしていたという。男性は今年1月に帰国。県警は得られた情報を警察庁や外務省経由でカンボジア側に提供していた。 東南アジアの特殊詐欺拠点の摘発は近年相次いでおり、県警は今年、ミャンマー東部の詐欺拠点でかけ子をしていたとされる少年や男らを詐欺容疑で逮捕するなどしていた。(高橋俊成)

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