「ニセ警察」被害389億円に急増 特殊詐欺、過去最悪に 今年上半期・警察庁

警察官をかたり捜査名目で金銭をだまし取る「ニセ警察詐欺」の被害額が今年上半期(1~6月)に389億3000万円に上り、急増していることが31日、警察庁のまとめで分かった。 この影響で、特殊詐欺全体の被害額と件数も過去最悪を更新。同庁は全国の警察と連携し、注意を呼び掛けている。 警察庁によると、上半期の特殊詐欺の認知件数は前年同期比で約1.5倍の1万3213件、被害額は同2.6倍の597億3000万円だった。同庁は警察官をかたった詐欺が増加の原因とみており、ニセ警察詐欺の認知件数は4737件と全体の約36%、被害額で約65%を占めた。 ニセ警察詐欺の主な手口は、まず携帯電話に着信があり、SNSでのビデオ通話に移行すると、警察官を装う人物が逮捕状を示し、「あなたの金の犯罪関与を確認する」と指定先に金を振り込ませる。若者の被害も多く、認知件数の20.5%が30代、18.7%が20代だった。 着信番号の多くが「+1」などで始まる国際電話で、自動音声の電話を大量にかけ、反応した人を狙う手口も増えている。同庁は国際電話の着信規制が対策に有効としている。 SNS型投資・ロマンス詐欺の被害額は前年同期比10.7%減の590億8000万円。著名人を名乗って勧誘する広告が大幅に減ったことを受け、うち投資詐欺は同30.4%減の351億2000万円となったが、恋愛感情を抱かせるロマンス詐欺は52.4%増の239億6000万円だった。ロマンス詐欺はマッチングアプリを介した接触が約半数を占め、共同の暗号資産投資やネットショップ経営を持ち掛ける被害が多いという。

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