【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏を巡る複数の不正疑惑などを捜査する特別検察官チームは1日、尹氏の拘束令状の執行に乗り出したが、不首尾に終わった。 特別検察官チームの検事や捜査官はこの日午前8時半ごろ、尹氏が収監されているソウル拘置所に入ったが約2時間後に撤収し、メディアに対し「拘束令状の執行は当事者の頑なな拒否により完了できなかった」と明らかにした。 拘束令状の同日中の再執行は行わない方針だという。 尹氏は先月10日、昨年12月の「非常戒厳」宣言を捜査する特別検察官チームに逮捕され、ソウル拘置所に収容されている。 特別検察官チームは先月29日と30日、尹氏に出頭を求めたが、尹氏側は健康悪化を理由に拒否。30日に尹氏の拘束令状を請求し、ソウル中央地裁は31日に令状を発付した。令状の期限は今月7日となっている。 尹氏は2022年の大統領選で政治ブローカーのミョン・テギュン氏が世論調査を無償で引き受けた見返りとして、同年の国会議員補欠選で当時与党だった「国民の力」の金映宣(キム・ヨンソン)前議員が党公認候補に選ばれるよう影響力を行使した疑いが持たれている。ミョン氏は計81回にわたり、違法な世論調査を実施したとされる。 また、金建希氏が輸入車ディーラー「ドイツ・モーターズ」の株価操作に介入した疑惑を巡り、21年10月に国民の力の大統領選公認候補を選ぶ党内予備選の討論会で虚偽の発言をして公職選挙法に違反した疑いも持たれている。