山形県の蔵王の樹氷を形作るアオモリトドマツが害虫の食害などによって大規模に枯れた問題で、木が枯れたことによって枝が折れた影響で2019年以降、樹氷の太さが急速に細くなっていることがわかりました。 蔵王では、2013年ごろから樹氷を形作る木「アオモリトドマツ」が害虫の食害を受けておよそ2万3000本が枯れました。特に山頂部では、被害の大きさから自然による回復は難しいとされています。 樹氷研究の第一人者で山形大学名誉教授の柳沢文孝さんらは7日、アオモリトドマツが枯れたことによる樹氷の大きさの変化について研究結果を発表しました。柳沢さんらは定点で撮影した写真を解析し、大きさを比較しました。 山形大学名誉教授・柳沢文孝さん「2013年に虫の食害があったが、実際に樹氷に影響がはっきり出たのが2019年。2018年の時はまだちゃんとしたアイスモンスター(樹氷)の形をとっていたが、2019年になると急速に細くなる」 柳沢さんによりますと、2017年から、枯れた木で雪の重みや風などの影響で枝が折れ始め、2019年ごろには枝のおよそ半分が失われたといいます。その影響で、木にくっ付く氷と雪の量が急激に減少し、”スリム化”したとみられています。 大雪となったことしの冬についてはー。 樹氷マイスター・原田隆人さん「実際雪が降って樹氷が立派に育った。でもその年が明け、雪が解けると(雪の重みで)倒木が増えている。素直には喜べない状況」 枯れた木ではいまも倒木が発生していて、今後も樹氷のスリム化や減少が進むおそれがあるということです。 一方、今月3日に東京都内で米沢市の山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンターに勤務する「産学連携教授」の男性が痴漢の疑いで現行犯逮捕されたことを巡り、山形大学は7日付で、学内に調査委員会を設置したと発表しました。今後、事実関係などの調査を進めていくとしています。