「言葉で言い表せぬご心労おかけした」滋賀県警本部長、再審無罪の元看護助手に直接謝罪

滋賀県警の池内久晃本部長は7日、同県東近江市の湖東記念病院で平成15年に入院患者が死亡し、殺人罪で服役後に再審無罪が確定した元看護助手、西山美香さん(45)と、同県彦根市の県湖東合同庁舎で面会し、「逮捕から21年余りの長きにわたり、言葉では言い表せないご心労、ご負担をおかけし、大変申し訳ございませんでした」と謝罪し、約10秒間深々と頭を下げた。県警幹部が西山さんに直接謝罪するのは初めて。 面会には西山さんの両親と井戸謙一弁護団長も同席。4人を前に池内本部長は「判決で認められたことを重く受け止め、より一層緻密かつ適正な捜査に取り組んでいきたい」などと述べた。 面会後、市内で記者会見した西山さんは「本部長の謝罪で一区切りついたと思っている」。井戸氏は「違法捜査などは認めなかったと認識しており、配慮がなければ同じことを繰り返す」と厳しい見方を示した。 今年7月の大津地裁判決は、刑事が西山さんの否認調書を作成せず、虚偽自白を維持させたと指摘。また患者が「たん詰まり」で死亡した可能性を示す捜査報告書を送致しなかったと認定し、県に約3100万円の賠償を命じた。一方、検察の起訴は合理性があったとして国への請求は棄却した。その後県側は控訴を見送ることを明らかにし、西山さんは国を相手取って控訴した。

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