「極刑にしろ」ネットで加熱する“加害者バッシング” 「自己責任論」が浸透した日本で見失われる“刑罰”の目的

法律によって定められた刑罰を国が犯罪の加害者に与える「刑事司法制度」は、あくまで社会秩序を維持することを目的にしている。一方、近年では、犯罪の被害者と加害者や両者の家族などが対話し、和解することで互いが負った「害」の回復を目指す「修復的司法」の考えが注目されている。 しかし、刑罰とは被害者やその家族が加害者に「復讐(ふくしゅう)」するために存在している、というイメージは根強い。そのため、犯罪事件が報道されたら、ネット上では加害者に対する厳罰を求める声に溢れるのが日常茶飯事だ。だが、短絡的な加害者バッシングは、被害者の救済にも社会の改善にもつながらない。 本記事では、元代議士の山本譲司氏が中高生に向けて執筆した書籍『刑務所しか居場所がない人たち 学校では教えてくれない、障害と犯罪の話』(2018年、大月書店)から、犯罪加害者がハンディキャップを負っているケースや「自己責任論」が浸透した日本社会の問題について書かれた内容を、抜粋して紹介する。

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