今年1月から6月までの半年間で東京都内で起きた特殊詐欺事件の被害の総額が、過去最多となるおよそ151億円に上ることがわかりました。 警視庁によりますと、今年上半期の特殊詐欺の被害額は、およそ150億7000万円で過去最多となり、過去最悪だった去年1年間の被害額にわずか半年間で迫っているということです。 特に被害が多いのは「警察官騙りの詐欺」で、被害額全体の65パーセントを占めています。 この手口は、警察官を装って電話をかけ、「あなたは事件の容疑者になっている」などと言って架空の事件に巻き込み、保釈金や口座の調査などの名目で現金をだまし取るもので、被害の9割が60代以下と、若者も巻き込まれやすいのが特徴です。 また、「SNS型投資詐欺」と「ロマンス詐欺」の被害は、去年の半年間と比べ認知件数が増えた一方、被害額は高止まりしました。 これらの詐欺の場合、被害金の受け渡しの9割近くが、暗号資産やネットバンキングなどで行われていたということです。 警視庁は、「警察官が警察手帳や逮捕状の画像を送ること、SNSやメッセージアプリで連絡をすることはない。警察官を名乗る電話は、所属や担当部署、名前を確認し、怪しいと思ったら最寄りの警察署に相談してほしい」としています。