ストリップ・天満東洋ショーに営業停止命令 風営法に規定された劇場が摘発された舞台裏

「西日本最大級のストリップ」をうたう大阪市北区の老舗劇場「天満東洋ショー劇場」が、来年1月まで営業停止となっている。昨年、公然わいせつ容疑で経営者らが逮捕されたためだ。ただ、ストリップ劇場は風営法で「性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行」と規定されている。法律で存在が認められている形の劇場がなぜ、摘発されたのか。 大阪府警は昨年11月、公然わいせつ容疑で同劇場の男性経営者(67)やダンサーらを逮捕した。逮捕容疑は観客約60人の前で、ダンサーが衣装を脱いで下半身を露出。デジタルカメラで撮影させるなどしたというものだった。 経営者は公然わいせつ罪で略式起訴され、大阪簡裁が罰金30万円の略式命令。これを受け、府公安委員会が行政処分として、今年5月から来年1月までの8カ月間、営業停止を命じた。 府警などによると、ストリップ劇場は風営法で、個室ビデオ店などと同じ「店舗型性風俗特殊営業」の3号に分類。同劇場も営業の届け出をしているという。 ストリップ劇場を巡っては、昭和20年代の誕生直後から警察当局による摘発が相次いだ。同23年に広島の劇場が摘発されたケースでは、「わいせつか芸術か」といった点などが争われたが、最高裁は、女性が裸で約1分半にわたってポーズを取ったことは公然わいせつにあたると判断した。 下半身露出が「わいせつ」にあたるという判例は同20~30年代に続いたが、昭和60年の風営法改正で「衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行」と規定され、営業が届け出制となった後も摘発は続いた。違法と判断される基準はどこにあるのか。 ある捜査関係者は「ステージ上で陰部を露出するかどうかが、わいせつの大きな基準となる」と明かす。摘発前の東洋ショー劇場では、舞台上で長時間、下半身をライトで照らすこともあったといい、府警はそうした演出の実態を確認したうえで立件に踏み切ったとみられる。 ■売り上げ意識し、陰部露出か

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする