神戸市のマンションで女性が殺害された事件で、逮捕された男は女性が職場を出る前からその周辺をうろついていたとみられることがわかりました。さらに、事件前日にも周辺をうろつく様子が防犯カメラに映っていたこともわかりました。 神戸市中央区のオフィス街を歩く黒っぽい服を着た男。 片山恵さん(24)の胸などをナイフで複数回刺し、殺害した疑いで逮捕された谷本将志容疑者(35)とみられます。 男は手にしていたリュックを背負いながら道路の左右を確認。横断歩道がない場所で、行きかう車の間をぬうように道路を横切る行動をとります。 ビルの出入り口付近を確認する様子をみせ、右の方向に歩き出したその直後。ビルから出てきたのは、殺害された片山さんとみられる女性ら3人です。 この映像が撮影された時刻は、事件当日に片山さんが職場を出たという午後6時半ごろとほぼ一致します。 さらに同じ場所の別の角度の防犯カメラの映像には…。 女性らより先を歩いていた男が交差点付近で一旦、映像から消え…。 そして、被害者の片山さんとみられる女性が一緒に会社を出た2人と別れ、交差点付近で1人に。 その約10秒後。防犯カメラに再び現れたのが…。 一度、映像から姿が消えた谷本容疑者とみられる男です。 女性が1人になったのを見計らうように動き出し、距離を取りながら歩く様子がとらえられていました。 谷本容疑者は、片山さんが仕事を終えて職場を出る前からその周辺をうろついていたとみられるほか、事件前日にも、周辺をうろついていたことが新たに分かりました。 警察は、谷本容疑者が何らかの目的で、女性を物色していた可能性があるとみています。 犯行前の足取りから見えてきたのは、被害女性をつけねらっていたと思われる容疑者の執拗ともいえる行動です。 事件の3日前から現場近くのホテルに宿泊し、職場から、自宅マンションに帰る途中だった片山さんを50分以上にわたり尾行していたとみられる谷本容疑者。 事件後、マンションを出て、1時間以内に新神戸駅から東京行きの新幹線に乗ったとみられています。 このとき、谷本容疑者は、現場近くからタクシーに乗って逃走したとみられることが、捜査関係者への取材で、新たにわかりました。急いで現場から立ち去ろうとした可能性があるとみられています。 谷本容疑者 「殺意を持っていたかは分かりませんが、ナイフで刺したことに間違いありません。(片山さんは)まったく知らない人です」 警察は事件前後の足取りを詳しく調べるとともに、動機などについても引き続き捜査しています。