【風営法「改正」史③後編】事件が続発したテレクラやツーショットダイヤルにメスを入れた’01年改正

時代ごとに風営法はなぜ改正されて、後の世にどんな影響を与えたのかを探る風俗ジャーナリスト・生駒明氏の『風営法「改正」史』第3回。後編ではテレクラやツーショットダイヤルが規制された’01年の改正などを取り上げる。 ◆規制によってアダルトサイトが減少 1998年の改正で、アダルトビデオなどの通信販売やインターネットでポルノ映像を売る業者は、アダルトショップの発展型とされ、新たに規制の対象となった。違反者には営業の「禁止」を命じることができるとしたのだ。処分に効果をもたせるために、一定期間業者にダメージを与える「停止」ではなく、同じ種類の営業を継続したり新たに開業ができない「禁止」という、一歩踏み込んだかたちだ。これにより、有料のアダルトサイトの数は減少する。 ポルノ画像を送信するアダルトサイトの中には、バナー広告を表示して広告主から広告収入を得ることによって、無料で利用者に送信しているサイトも多い。これらは風営法による取り締まりの対象外となるのだが、こちらも施行後に数が減少したという。 無店舗型の風俗店や映像送信営業への規制は、伝統的な「空間的な隔離」による取り締まりでは対応できなくなっていたためであった。1984年の風営法改正により、江戸時代以来の遊廓の〝壁による隔離〟は、〝法律による空間規制〟に置き換えられた。それは良好な住環境や学校や病院などの保護すべき空間を設定することで成り立っていた。だが、業者が店舗を持たなくなり、電話やネットで情報がやり取りされるようになると、対処できなくなっていたのである。

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