関東学生アメフト連盟 「日大有志の会」学生の仲裁申し立てに「個人によるもの。手続きには応じない」

関東学生アメリカンフットボール連盟は28日、違法薬物事件で廃部となった日大アメリカンフットボール部の後継組織「有志の会」の学生1人が、2部リーグ所属の取り消しと1部所属を求めて日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に行った仲裁申し立てに対し、仲裁合意(紛争の解決を仲裁判断に委ねる合意)を行わず、「仲裁手続きには応じない」との判断をしたと発表した。 同連盟はリリースで「当連盟は本年2月19日に日本大学から日本大学有志の会の新規加盟申請書類提出を受け、慎重に書類の審査や現場視察、大学やチーム関係者のヒアリングなどを行い、理事会内ならびに加盟78校と議論を重ねて合意形成を図ってまいりました。そして6月17日の臨時理事会で日本大学有志の会の加盟を認め、2部リーグ所属とすることを決議しました。決議に至る一連のプロセスは適正な手続きで行ったものであることはもとより、その決議内容も公正なものであって、いささかも法的瑕疵(かし)がないと考えております。また、既に付帯決議を含めて日本大学ならびに日本大学有志の会双方が異議なく了承しております」と説明。 その上で「以上の点に加えて、今回の申し立ては大学やチームの総意ではなく、あくまでも学生個人によるものであることなどから、仲裁に適する成熟した紛争であるとは考え難いことを踏まえて、上記のように判断いたしました」と記した。 さらに「インターネット上で当該学生ならびに関係者に対する誹謗(ひぼう)中傷や個人の名誉を傷つける言動などはなさらないよう、当連盟として心からお願い申し上げます」と付け加えた。 JSAAに仲裁申し立てを行ったのは、「日大有志の会」のランニングバック(RB)酒井佑昌選手(3年)。26日の申し立て後には東京地裁の司法記者クラブで会見し、「批判されることは分かっているけど、残っている選手は事件とは関係ない選手。新しいフェニックスをつくっていこうと動いている」と語った。 フェニックスの愛称で知られた日大アメフト部を巡っては、部員が違法薬物事件で逮捕されたことを受け、23年12月に廃部が決まり、昨年2月に関東学連を退会。薬物問題には関わっておらず、一定の参加条件を満たした元部員や新入生が昨年5月から「有志の会」として活動している。

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