大阪府と奈良県の境にあり、江戸時代の俳人・松尾芭蕉が最後の旅路で歩いたとされる「暗峠(くらがりとうげ)」。 大阪平野を一望できるパノラマ夜景が人気だが、峠につながる国道は「酷道(こくどう)」とも呼ばれる難所で、府警は多発する事故に注意を呼び掛けている。 大阪側から暗峠につながる暗越奈良街道(国道308号)は道幅が狭く、急勾配のカーブが連続。最大勾配は30%超とも言われる。 府警枚岡署によると、1~7月には前年同期比1.6倍の約100件の事故が発生。大半が10~20代の若者によるもので、側溝にはまって車が脱輪したり、急な下り坂でバイクのブレーキが効かなくなったりしたケースが多かった。制御不能になったバイクが崖下に落ち、運転手が重傷を負った事故もあった。 酷道と呼ばれるだけあって、安全に行き来するには「高度な運転技術が必要」と同署関係者。だが、最近は夜景スポットとしてSNSで話題になり、運転技術が未熟な若者が訪れるようになったことが事故多発の背景にあるとみられるという。 同署は府にも協力を呼び掛け、電光掲示板に注意喚起の文言を表示するなどの安全対策を実施。夜景スポットに車両で侵入できないよう、ゲートの夜間施錠も始めた。 ゲート内は関係車両以外、終日通行禁止だが、夜景スポットまで車で接近できることから、侵入車両が絶えなかったという。 施錠開始後の8月、門の鍵を壊して侵入したとして、同署は東大阪市の少年(19)を器物損壊容疑で逮捕した。少年は夜景見たさで侵入したといい、同署は今後も事故やトラブルの発生を防止できるよう警戒を強める方針だ。