大阪府岸和田市発注の公共工事で入札情報を業者に漏らしたとして、大阪地検特捜部は4日、前岸和田市長の永野耕平容疑者(47)を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕した。永野前市長は女性問題が原因で市議会に2度の不信任決議を可決され、2月に失職していた。 逮捕容疑は、岸和田市が2021年5月に予定していた公共工事の競争入札前に、業者に入札の最低制限価格を教えて工事を落札させ、入札の公正を害する行為をしたとしている。 永野前市長は当時、市長在任中で、公共工事の入札や契約締結事務を統括する立場にあった。特捜部は認否を明らかにしていない。 藤浪秀樹副市長は4日夕、市役所で取材対応し「前市長のことではあるが、非常に残念。信頼回復に努めたい」と述べた。 永野前市長は大阪府議を経て18年に大阪維新の会公認で市長選に立候補し、初当選した。しかし、性的関係を強要されたとして女性から訴訟を起こされ、和解していたことが発覚。維新から離党勧告処分を受けて離党し、市議会は24年12月、不信任決議を可決した。永野前市長は市議会を解散したが、市議会が25年2月に不信任決議を再び可決したため、失職した。 維新は4日、永野前市長を除名処分とすることを決めた。杉江友介幹事長は「党在籍時のことで事実であれば許されない」と述べた。【飯塚りりん、岡崎英遠、松原隼斗】