【AFP=時事】ドナルド・トランプ米大統領は6日、自身が改称したばかりの「戦争省(Department of War)」をイリノイ州シカゴに投入する可能性を示唆し、民主党が主導権を握る各都市への州兵派遣を推進する中で、さらに緊張を高めた。 トランプ大統領はすでに首都ワシントンに州兵を配備し、逮捕や強制送還を行う連邦捜査官も増員しており、今回の動きでこの作戦を再現しようとしている。この措置は、地元住民からの反発を招いている。 トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「シカゴはなぜ『戦争省』と呼ばれるのかを知ることになる」と投稿。1979年の映画『地獄の黙示録』を模した人工知能(AI)生成画像と映画のセリフをもじった「朝の強制送還のにおいが大好きだ」というせりふが添えられていた。 この投稿に対し、イリノイ州のJ.B.プリツカー知事は激しく反発し、X(旧ツイッター)に「米国大統領が、米国の都市に戦争を仕掛けると脅している。これは冗談ではない。正常ではない」「イリノイ州は独裁者気取りの人物におびえたりしない」と投稿した。 トランプ政権による州兵と連邦捜査官の派遣は、6月のロサンゼルスを皮切りに首都ワシントンへと拡大され、異議申し立てや抗議活動を引き起こしている。 トランプ氏はさらに、民主党が主導権を握るボルティモアやニューオーリンズでも同様の措置に出ると警告している。 この日、首都ワシントンでは8月にトランプ氏が「犯罪非常事態」を宣言して以降では初めてとなる大規模な抗議デモが起こり、「占領の終結」を求める声が上がった。【翻訳編集】 AFPBB News