米最高裁、加州での人種や言語に基づく不法移民強制捜査を当面容認

Andrew Chung [8日 ロイター] – 米連邦最高裁判所は8日、西部カリフォルニア州のロサンゼルスなどで、トランプ政権が人種や言語に基づく不法移民の強制捜査を行うことを当面容認する判断を示した。最高裁判事のうち保守派の6人がこうした見解を支持し、リベラル派の3人が反対を表明した。 移民・税関捜査局(ICE)による一連の強制捜査で拘束された中南米系の人々が、捜査の不当性を申し立てて7月にロサンゼルスの連邦地裁に集団訴訟を提起。拘束者の中には米国の市民権保有者も含まれている。 これを受けて連邦地裁は7月11日、強制捜査は不合理な捜査や逮捕・押収に対する個人の権利を保障する合衆国憲法修正第4条違反と認定し、ICEに対して対象者が不法滞在しているという「合理的な疑い」がない限り、人種や言語を通じた判断で拘束することを禁止した。 その後連邦控訴裁判所(高裁)も連邦地裁の判断を妥当としていた。 しかし最高裁は、連邦地裁の命令を一時的に差し止め、この訴訟が決着するまでカリフォルニア州南部でICEが従来の方式で強制捜査を続けることができるとした。 ボンディ司法長官は最高裁の判断を「大勝利」と呼び、ICEは裁判所から細かい干渉を受けずにカリフォルニア州で「巡回パトロール」を継続できると述べた。 一方最高裁のリベラル派のソトマイヨール判事は、トランプ政権は全ての中南米系の低賃金労働者について、彼らに米国市民権があろうがなかろうが、当局が満足するだけの合法的滞在資格を証明できるまで仕事を奪い、拘束することが公正なやり方だと宣言したに等しいと批判した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする