韓国特検「尹前大統領の最側近議員、旧統一教会と取り引きし国政壟断…罪質悪い」

尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の夫人、キム・ゴンヒ女史の疑惑を捜査しているミン・ジュンギ特別検察官(特検)チームが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側から不法政治資金1億ウォン(約1060万円)を受け取った疑いで、「国民の力」のクォン・ソンドン議員に拘束令状を請求し、これを「国政壟断」と規定したことが分かった。クォン議員に対する逮捕同意要求書は9日、国会本会議で報告された。 特検チームが国会に提出したクォン議員の拘束令状請求書をハンギョレが9日に確認した結果、特検チームはクォン議員に対し、「有力大統領候補者の最側近として政治最高権力者の一人であり、現職の国会議員である被疑者が、宗教団体と互いの利害関係を充足させるために取り引きをし、その後大韓民国の予算や組織などを私的な目的達成のために使ったため、罪質の悪い国政壟断に当たる」と指摘した。 そして、クォン議員が罪を犯したと疑うだけの相当な理由があり、犯罪が重大で、証拠隠滅と逃走の恐れ及び追加捜査の必要性があるという点を挙げ、拘束の必要性を強調したことが分かった。 クォン議員は2022年1月5日、ソウルにある中華料理店でユン・ヨンホ前統一教会世界本部長に会い、「尹錫悦大統領選候補(当時)が大統領に当選したら、統一教会の政策を国家政策として推進してほしい」、「尹候補が統一教会の行事に出席し、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁の話を聞くようにしてほしい」などの要請を受け、尹候補に対する支援などの名目で現金1億ウォンを受け取った疑い(政治資金法違反)などが持たれている。 クォン議員は2022年1月5日にユン前本部長と会った事実は認めているが、政治資金の名目で現金1億ウォンを受け取った事実は否定しているという。しかし、特検チームは、尹前本部長の供述とダイアリーの記載内容などを踏まえ、金品を授受した疑いが認められるとみている。特に特検チームは、2022年1月5日午前にユン前本部長の妻が撮影した1億ウォンの現金の写真も確保したという。さらにユン前本部長は当時同席した人物にも、クォン議員に金品を渡したという内容のメッセージを送ったことも明らかになった。 関連捜査が始まったことを受け、クォン委員が携帯電話を替え、借名携帯電話で捜査関係者たちと連絡したことなどをはじめ、各種証拠を隠滅したという点も、拘束すべき理由に含まれた。特検チームはクォン議員が秘書官を通じてユン前本部長などの「捜査中の共犯」に密かに接触し、捜査状況の共有を試みた事実を把握した。特検チームは「莫大な資金力と組織を備えた統一教会と現職国会議員である被疑者の(ユン前本部長に対する)持続的な懐柔が行われた可能性が高い」と、拘束令状請求書に記した。また、クォン議員が特検チーム捜査に対して「野党弾圧フレーム」で「事件の実体を歪曲しようとしている」という点も懸念されると補足した。 特検チームはクォン議員の身柄を確保した後、クォン議員が追加で政治資金を受け取ったと疑われる事情などをさらに取り調べる計画だ。クォン議員には、韓総裁にクンンジョル(ひざまずいて頭を深々と下げる最も丁寧なお辞儀)をし、紙袋を受け取った疑惑もある。また、統一教に対する捜査情報を先に入手し、これを統一教に漏らした容疑も持たれている。クォン議員の逮捕同意要求書はこの日、国会本会議に報告され、11〜12日に表決される見通しだ。 キム・ガユン、カン・ジェグ記者 (お問い合わせ [email protected] )

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