天理大が大勝発進、上ノ坊主将、不祥事明け勝利に「拍手を送っていただき、うれしかった」/関西Aリーグ

関西大学ラグビー(14日、天理大62-0関大、大阪・花園ラグビー場)昨季の優勝校で6月に部員2人が大麻所持などの容疑で逮捕され、7月末までチーム活動を自粛していた天理大が計10トライの猛攻で大勝。5月の春季トーメントで27年ぶりに敗れた関大(●17-19)に雪辱し、白星発進とした。 前半6分、自陣ゴール前で相手の14次にも及ぶ連続攻撃を粘り強くしのいでボールを奪取すると、ここから逆襲し、最後はCTB山田晟大(2年)が右隅に飛び込んで先制。その後はミスもあり、波に乗り切れなかったが、後半は一気に7トライを奪い、突き放した。 ディフェンスでの低く粘り強いタックルのほか、前半27分には自陣で相手パスをインターセプトし、敵陣ゴール前に迫った関大の選手を天理大WTBフコフカ・ルカス(1年)が60メートル以上追いかけてトライを防ぐなど勝利への執念も光った。夏合宿の練習試合では不安定だったセットプレーも安定していた。 試合後の会見の冒頭、「大変なご迷惑とご心配をおかけし、申し訳ありませんでした。ご配慮をいただき、きょう試合ができることを感謝しております」などと述べた小松節夫監督は「スクラムで頑張り、しつこくディフェンスに行き、零点に抑えられたことは大きな成果」と息をついた。SO上ノ坊駿介・共同主将(4年)も「チームで規律、品位を話し合い、再スタートした。試合後、観客席から拍手を送っていただき、とてもうれしかった」と表情を緩めた。 天理大ラグビー部では今年6月、大麻を所持したなどして部員2人が麻薬取締法違反容疑で逮捕され、7月末まで1カ月半、活動を自粛。8月の夏合宿の練習試合ではスクラムで圧倒されるなど調整の遅れを露呈していた。 自らも管理責任を問われ、9月11日まで職務停止処分となり、チームを離れていた小松監督は「調整遅れは否めないところはある。今年はリーグ戦を戦いながら成長していくしかない」と決意を示した。 スタンドに詰めかけた天理大の控え部員たちは恒例のスクラムやトライの場面での応援コールを自粛し、静かに試合を見守った。

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