元フジテレビ部長、初公判で“オンカジ”常習賭博認める「会社に迷惑を掛けてしまって申し訳ない」

常習賭博の罪に問われた元フジテレビのバラエティ制作部企画担当部長でプロデューサーを務める鈴木善貴被告の初公判が16日、東京地裁(矢野直邦裁判官)で開かれ、鈴木被告は起訴内容を認めた。検察側は懲役1年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて即日結審。判決は25日に言い渡される。 鈴木被告はネイビースーツに白シャツ、髪の毛は整えられ、終始背筋を伸ばしていた。職業を聞かれると、「現在は無職です」と話した。 検察側は冒頭陳述で、2024年9月~25年5月までの賭けた総額を推計約6億円とし、常習性の高さを指摘した。鈴木被告はギャンブルに費やした総額を「億以上はいっていると思います。2000万~3000万負けました」と告白。一度はギャンブル依存症の治療に取りかかったこともあったが、消費者金融や知人などから約2000万円を借り、「借金による日々のストレスがすごく、早く返したかった。これをどうにかするにはギャンブルしかないと思った」とやめられなかったことを明かした。弁護人に「逮捕報道で注目されたが」と問われると、「家族はもちろん、会社に迷惑を掛けてしまって申し訳ない」と古巣に謝罪した。 被告の母親も出廷し、ギャンブル依存は逮捕時の報道で知ったこと、昨年11月に投資の失敗と聞かされ、約500万円を貸したことを告白。「もっと話し合いの場を持って、ひとりで抱え込まないような状況を作っていきたい」と述べた。この間、鈴木被告はじっと母親を見つめていた。 保釈後は依存症の治療のため、週1回通院。カウンセリングと更生プログラムを受けているという。現在は妻子と同居しているが、判決が言い渡され次第、離婚する意向という。その後は母親と同居し、通院しながら社会復帰を目指す。検察側の「今後の仕事は」という問い掛けに「23年間制作の仕事をしてきて、そのスキルしかない。それを生かせた仕事ができたらいいですが、僕が関わることで迷惑をかける。裏方で何かやれたら」と語った。 求刑を聞いたあとも表情を変えなかった。「僕ひとりの身勝手な行動でいろんな人に迷惑を掛け、たくさんの被害者を生んだ。猛省したい」と述べ、口を固く閉じた。 鈴木被告は「ホンマでっか!?TV」(水曜・後9時)、「アウト×デラックス」(2013~22年)、「ぽかぽか」(月~金曜・前11時50分)などを手がけ、同社のバラエティー部門の「エースの一人」「やり手」と評価されていた。

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