英首相「言論の自由守っている」と主張 「北朝鮮」「警察国家」との批判に

【AFP=時事】英国のキア・スターマー首相は18日、米国からの批判や複数の訴訟により英国の法律に注目が集まっていることを受け、英国は言論の自由を「用心深く」「必死に」守っていると主張した。 スターマー氏は、国賓訪問の日程を終えたドナルド・トランプ米大統領との共同記者会見で、「言論の自由は、英国建国の理念の一つであり、われわれは用心深く、そして必死に守っている。いつまでもそうしていく」と述べた。 「われわれは言論の自由に対するいかなる制限にも断固たる対応をとる」と述べる一方、「言論の自由と、ソーシャルメディア上で子どもたちに小児性愛(ペドフィリア)や自殺を広めようとする人々の言論との間には一線を画す」と警告した。 さらに、先週起きた米保守系インフルエンサー、チャーリー・カーク氏の暗殺は「言論の自由と民主主義を信じるすべての人にとって衝撃的だった」と付け加えた。 カーク氏暗殺をめぐり、トランプ氏の支持基盤である「米国を再び偉大に(MAGA)」運動を批判した深夜トーク番組の司会者ジミー・キンメル氏が米ABCテレビの番組を降板させられたことは言論の自由が脅かされている一例ではないかと記者に問われると、トランプ氏は、「ジミー・キンメルは視聴率が悪かったから降板させられた。だから、それを言論の自由と呼ぶかどうかはあなた次第だ。彼は才能がなかったから降板させられたんだ」と答えた。 英国では最近、さまざまな事件をめぐり言論の自由が注目を集め、米国からも批判を浴びている。 昨年には、反移民・極右の暴動がイングランド全土に広がる中、X(旧ツイッター)に「(難民認定申請者を収容している)ホテルすべてに火を付けろ。私の知ったことではない」と投稿した女が禁錮2年7月の判決を受けた事件をめぐっても議論が巻き起こった。 J・D・バンス米副大統領はこの問題について特に声高に訴えており、2月のホワイトハウスでのスターマー氏との会談でもこの問題を提起した。 バンス氏は過去に、欧州全域で言論の自由が「後退している」と主張しており、スターマー氏の米国訪問中にもこの主張を繰り返し、「言論の自由の侵害」が英国民に悪影響を及ぼしていると述べた。 英強硬右派政党「リフォームUK」のナイジェル・ファラージ党首氏は、米連邦議会での証言で「英国はいつ北朝鮮になったのか?」と問いかけた。 エミー賞受賞歴のあるコメディー作家グレアム・リネハン氏が9月、オンライン上でトランスジェンダーの人物に対する3件の投稿をめぐり逮捕・起訴されたことを受けての発言だった。 米実業家イーロン・マスク氏は、英国は「警察国家(警察が市民生活のすみずみにまで介入・干渉するような国家)」だと述べた。【翻訳編集】 AFPBB News

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