トランプ大統領とカーク氏の写真掲げ…韓国首相の警告無視して続くソウルの反中集会

「民衆決死隊」などの保守団体の会員200人ほどが19日夕方、ソウルの都心で「反中集会」を開催した。 参加者らはこの日午後7時30分、ソウル市中区(チュング)の中央郵便局の前で集会を開き、鍾路(チョンノ)を経て徳寿宮大漢門までの約2.5キロメートルの区間を行進した。参加者らは雨の中でも隊列を組み、ソウル都心部を歩き、「天滅中共」「チャイナ・アウト」などのヘイト的なシュプレヒコールを連呼した。この行進は約45分続いた。 キム・ミンソク首相は同日、このところソウル市内で繰り広げられている反中集会について、警察庁長官職務代行に「必要に応じて強く対処せよ」と指示したが、この日の行進の過程では、物理的衝突は発生しなかった。これに先立ち、李在明(イ・ジェミョン)大統領も9日、ソウル市龍山(ヨンサン)の大統領室で開いた閣僚会議で、反中集会を「騒乱」と表現し、国務委員に対して解決策を探るよう求めた。 主催側はこれを意識したかのように、現場で「われわれは『嫌中デモ』ではなく『反中デモ隊』」だと強調した。警察やメディアとの衝突についても、慎重な態度を示した。一部の集会参加者が取材陣に向けて「記事を正しく書け」と暴言を吐いたが、誘導棒を持つ進行要員(団体所属と推定)や他の集会参加者は、むしろこれを制止した。 参加者らは、10日(米国現地時間)に銃撃で死亡したMAGA(米国を再び偉大に)の代表的な若手活動家のチャーリー・カーク氏の追悼もおこなった。行進の出発前には、カーク氏のための黙祷が行われ、行進中には「われわれはチャーリー・カークだ」という文言やカーク氏の写真が印刷された横断幕が掲げられた。 一部の参加者は、最近ネパールで発生した反政府デモに言及した。ある高齢男性は、別の参加者と会話しながら、「ネパールでは、中国共産党政権に対抗して若者が立ち上がった。軍人が警官を逮捕するのをユーチューブでみた」として、「わが国もそうなるべきなのに、韓国メディアはネパールのデモを報道しない」と述べた。 警察は最近、「民衆決死隊」などの反中集会を主導する保守団体に集会を許可しながらも、「摩擦を誘発する行為は禁止」などの条件付きの制限通告を出した。集会や行進の過程で、暴言や暴行などによって外交使節や観光客との不必要な摩擦を誘発することを禁止する内容だ。この日の行進では、懸念された外国人観光客との摩擦はなかった。 ただし、眉をひそめざるをえないようなヘイトスピーチは今回も隊列の各所で聞かれたが、特に制止はなかった。これは「ヘイトスピーチの基準が曖昧だ」という理由によるものだ。警察関係者は「(大統領と首相の発言後も)特に指示事項はなかった。ヘイトスピーチの基準はわれわれも知らないため、制止はしない。誰かが決めるべきではないか」と述べた。 チャン・ジョンウ記者 (お問い合わせ [email protected] )

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