元妻への殺人未遂 元プロ棋士、初公判で起訴内容を否認

大津市内に住む元妻らを殺害しようとしたとして、殺人未遂罪などで起訴された住所不定、元将棋棋士、橋本崇載被告(42)の裁判員裁判の初公判が22日、大津地裁(畑口泰成裁判長)であった。橋本被告は「間違った内容なので私は起訴されるべきではない」と起訴内容を否認した。 起訴状などによると橋本被告は2023年7月20日午前7時ごろ、元妻の父親宅に窓から侵入し、元妻とその父親をくわで殴って殺害しようとしたとされる。2人は手足などに全治2週間の軽傷。橋本被告は鑑定留置の結果、刑事責任能力を問えるとされ、同年12月に起訴された。 検察側は冒頭陳述で、橋本被告が結婚から長男の出生を経て元妻と別居状態になり、離婚訴訟を通じて元妻やその父親らに恨みを募らせた経緯を時系列で説明。「計画的犯行で悪質、結果も重大で、再犯可能性が極めて高い」と指摘した。 一方弁護側は、事実関係は争わないとした上で、犯行当時の橋本被告が心神喪失か心神耗弱状態にあったと主張し、責任能力を争う姿勢を示した。 橋本被告は石川県小松市出身で、01年に18歳でプロ棋士となった。金髪にパンチパーマという派手な格好で対局に臨むこともあり、ファンから「ハッシー」と呼ばれ人気を集めた。最終段位は八段。21年4月に日本将棋連盟に引退届を提出し、22年11月に退会した。 橋本被告は、子の親権トラブルに絡みSNS(交流サイト)に「僕の全てをつぶした殺人鬼」などと元妻を中傷する投稿をしたとして逮捕・起訴され、23年6月に懲役1年6月、執行猶予4年の有罪判決を受けていた。 公判は24日に被害者2人の証人尋問、25日に精神鑑定した医師と臨床心理士、橋本被告への尋問を行い、26日に結審する。判決は10月2日。【礒野健一】

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