母親からは「ボクちゃん」と呼ばれて溺愛…わずか2カ月で“女性8人を殺害”した「大久保清」の異常な欲望

昭和に起こった重大事件を取り上げる中で、落とすわけにはいかない重要事件がある。昭和46年5月14日、群馬県警察に検挙された大久保清(当時36)は、8人の女性を誘拐・乱暴の上、殺害。その遺体を遺棄した。これだけでも重大凶悪な大事件であるが、警察側にも困難な捜査が要求された。 〈この事件は、従来の殺人事件のように殺人現場からスタートするのではなく、女性誘拐の被疑者が警察に身柄拘束され、その自供によって殺人事件が判明し、被疑者の供述する場所から死体を捜し出して被害者を確認するという変則的な捜査に終始した特異事件であった〉(警察庁の教養資料より) 大久保は逮捕後、自供を拒み、時には虚偽を申告し、「完全犯罪」を自負するような言動も見せていた。その頑なな態度の裏には何があったのか。そして、稀代の殺人鬼を完全自供に追い込んだ取調官の執念とは何だったのか――。 (全2回の第1回)

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