大阪府岸和田市発注の工事を巡る汚職事件で、別の工事でも入札の最低制限価格を漏らしたほか、賄賂として計1900万円を受け取ったとして、大阪地検特捜部は24日、収賄と官製談合防止法違反などの疑いで、前市長の永野耕平容疑者(47)を再逮捕した。当時、市長在任中だった。特捜部は永野容疑者の認否を明らかにしていない。 逮捕容疑は令和3年8月と昨年5月の工事の入札で、非公表の最低制限価格を業者側に漏らして落札させた。さらに便宜供与に対する謝礼などの意味合いで、業者側から昨年11月までに3回にわたり計1900万円を借り受け、賄賂を受け取ったとしている。 また特捜部は同日、3年5月の「岸和田競輪場施設整備工事」で最低制限価格を漏らしたとして、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の罪で永野容疑者を起訴した。今月4日に逮捕し、この日が勾留期限だった。 特捜部によると、3件の工事は計2社が落札しているが、2社を実質的に経営するのは同じ人物。永野容疑者はこの人物に価格を漏らした疑いがある。 永野容疑者は昨年11月、女性から性的関係を強要されたとして訴訟を起こされ、その後に解決金500万円を支払う内容などで和解していたことが発覚。女性との不倫は認めた。2度の不信任決議の可決を経て失職し、今年4月の出直し市長選では「市民の信頼回復」を掲げた佐野英利市長に敗れた。