ポケモン社が声明発表、米国土安全省ポケモン問題に「制作や配信には一切関与しておらず…」

米国土安全省(DHS)が日本発の人気アニメシリーズ「ポケットモンスター(以下ポケモン)」の映像やテーマ曲を使用して不法移民を摘発する宣伝動画を公式X(旧ツイッター)に投稿して物議を醸す中、株式会社ポケモン(本社・東京と港区)が25日、動画制作には一切関与していないとの声明を発表した。 トランプ政権下で不法移民の取り締まりを強化しているDHSは22日、移民関税執行局(ICE)と国境警備隊の職員が全米各地で移民を拘束する様子を撮影した映像と共に主人サトシが登場してモンスターボールを投げるあたかも移民を捕まえているかのように編集された1分ほどの動画を公開。英語版のテーマ曲が流れる中、ポケモンシリーズの特徴である青と黄色の文字を使って「DHS」の名前が浮かびあがり、終盤には殺人や過失致死などさまざまな容疑で逮捕された移民たちの顔写真が印刷されたポケモンカードを模したの画像まで登場している。 「ポケモンゲットだぜ!」の英語版「Gotta Catch’Em All(みんな捕まえろ)」とキャプションを添えた投稿は瞬く間にネットで拡散され、トランプ支持者からの「移民はみんな捕まえろ」などの称賛コメントと共にファンからは知的財産の使用に関して法的措置を取るべきだとの声も上がっていた。 同社は米政治専門誌ザ・ヒルへの声明で、「DHSが最近投稿した動画に当社のブランドに関する画像や言語が含まれていることを認識しています。当社は本件コンテンツの制作や配信には一切関与しておらず、知的財産の使用許可も与えていない」と表明。一方で、法的措置に踏み切るのかどうかは明らかにしていない。 DHSを巡ってはこれまでも無許可で著名人の肖像や楽曲を使用した動画を公開しており、先日はコメディアンでポッドキャスターのテオ・ヴォンが自身の同意なく映像が使われたと異議を唱えたことを受けて問題の動画を削除している。また、8月にはICEのリクルート動画を巡っても、大物ラッパー、ジェイ・Zが自身の03年の楽曲「Public Service Announcement」が無許可で使用されとして著作権侵害の申し立てを行っており、投稿は現在削除されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)

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