日本で車を運転するため、台湾の偽造運転免許証を使って、運転に必要な免許証の翻訳文を不正に申請したとして、警視庁交通捜査課は私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで、いずれも中国籍の住所、職業不詳、高志洲容疑者(38)ら男女2人を逮捕した。「日本で車をレンタルしたくて台湾の免許を作ってもらったが、偽造免許証だとは知らなかった」などと話し、いずれも容疑を否認している。 日本と同水準の制度とされる台湾など6カ国・地域の免許証を取得している場合、日本自動車連盟(JAF)などが作成する免許証の日本語翻訳文を携帯すれば、日本で運転することができる。一方、中国の免許証は対象外で、日本の免許に切り替える「外免切替」制度などの利用が必要だ。 交通捜査課は、一定の試験を経るなど取得に時間を要する外免切替手続きを避けて日本での運転を希望する中国人向けに、台湾の偽造免許証を使って翻訳文を虚偽申請して報酬を受け取る犯行グループがあるとみている。このグループを巡っては、別の中国籍の男(29)=同容疑で逮捕、処分保留で釈放=が申請役とみられ、指示役とみられる中国籍の男(37)も同容疑で逮捕状を取り、近く国際手配する方針。 高容疑者らの逮捕容疑は共謀の上、昨年11月、運転に必要な翻訳文を発行するJAFの申請サイトで、偽造免許証を使って虚偽の申請を行ったとしている。高容疑者は実際に、不正に得た翻訳文などを使い、日本でレンタカーを運転していたとみられるという。