当時2歳の長女、平流菜(るな)ちゃんに暴行などの虐待を加えてけがをさせ、治療を受けさせずに死亡させたとして、両親が保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された事件で、和歌山市は29日、乳幼児健診を受けていない家庭に対し、地域ぐるみで働きかけていく方針を示した。 和歌山市では2歳までに4カ月、10カ月、1歳6カ月と3回、乳幼児健診があるが、流菜ちゃんは4カ月を受診して以降は未受診だった。 市によると、昨年3月と12月に保健師が自宅を訪問し健康状態や様子を確認した。3月の訪問時、流菜ちゃんの体重は標準並みで、12月も「問題は見受けられなかった」という。この日の定例会見で尾花正啓市長は「市の対応は適切だったと考えている」と述べた。 市によると、昨年度の1歳6カ月健診の対象者は2313人で、56人が未受診だったという。尾花市長は「未受診の子どもへのフォローをしっかりとやっていきたい。少しでも変わった様子があれば地域全体で見ていくことも大事。地域の人も含め、要保護児童対策地域協議会などでフォローできれば」と話した。(松永和彦)