9月29日、警視庁小平署から送検のために出てきたのは、板橋区職員の山田夏彦容疑者(37)だ。女性に性的暴行を加えたとして不同意性交等容疑で28日に逮捕された。 「警視庁によると、山田容疑者は8月22日の深夜、西武池袋線小手指駅のホームで10代の女子大学生に『寝過ごしちゃったの?』と声をかけて、女性の手を握り、鞄を奪って女性の自宅の最寄り駅まで一緒に電車で移動。『酔い覚ましに付き合ってよ』などと言って人けのない場所に連れていき、性的暴行に及んだようです。その直後、女子大生が近くの交番に駆け込み、被害届を提出しています。調べに対し、山田容疑者は、『わいせつ行為をしたことは間違いないが、同意があって行為に及んだ』と容疑を一部否認しています」(全国紙社会部記者) 公務員による性的暴行事件といえば、8月13日、山梨県身延町のケアホームに勤める公務員の男が、昨年9月、知人の女性に性的暴行を加えたとされる裁判が開かれ、甲府地裁は懲役3年の実刑判決を言い渡している。 「男は知人である40代の女性と一緒にタクシーに乗り、眠っていた女性にわいせつ行為をし、下車後も路上で性的暴行を加えた罪に問われていました。被害者と示談が成立していましたが、『犯行態様は執拗かつ卑劣で悪質』として懲役3年の実刑判決が言い渡されました」(前出・記者) さらに5月には、滋賀県守山市職員(懲戒免職で現在は元職員)の男が、JR嵯峨野線の電車内で隣に座った女子高生に性的暴行を加えたとして逮捕。不同意性交等の罪で起訴された。9月16日に京都地裁で開かれた初公判では、「間違いございません」と起訴内容を認めている。検察側は、懲役5年を求刑。判決は10月28日に言い渡される予定だ。 今回、板橋区役所の広聴広報課主事という立場にあった山田容疑者の逮捕を受けて、坂本健区長は区のホームページに、 〈このたび、当区の職員が逮捕されたことについては誠に遺憾であり、被害に遭われた方、区民の皆様に心より深くお詫び申し上げます。事実関係の調査を進めるとともに、公務員としての責任と倫理に反する行為に対しては、区政を預かる責任者として断固とした姿勢で対応いたします〉 とコメントを出した。 9月29日に警察署の建物から出てきた山田容疑者は、報道陣に気づいた瞬間、素早い動きで身をかがめ、頭を上下左右に激しく動かし姿を映されまいと必死に動き回っていた。その姿に後悔や反省の様子はうかがえなかった。