韓国人乗船のガザ救援船団拿捕…「われわれは前進を続ける」

初の韓国人参加者を乗せたガザ救援船団がイスラエルに拿捕された。 「自由船団連合」(FFC)は8日(現地時間)午前4時~5時ごろ、ガザ地区から220キロメートル先の公海上で、「ガザに向かう千隻のマドリーン号」(以下、千隻のマドリーン)所属の船舶11隻がイスラエル軍に拿捕されたと明らかにした。船団に参加していた無動力セーリングボート「アラア・アル・ナジャール号」(Alaa Al Najjar)も午前5時40分ごろに拿捕され、これに乗っていた韓国人で平和運動共同体「開拓者たち」の活動家のヘジョさん(27・キム・アヒョン)も逮捕された。 ヘジョさんは、20年近く続いているガザ地区救援船団運動に参加した初の韓国人だ。アラア・アル・ナジャール号の名称は、5月にガザ地区でイスラエルの空襲で子ども9人を失ったパレスチナ人医師の名前に由来する。 船団「千隻のマドリーン号」は先月27日に救援物資を積み、イタリアのシチリア島を出港し、航海11日目に拿捕された。現在のガザ地区はイスラエル政府が陸路と海路をすべて封鎖している状態にあり、救援船舶が接近すると公海上でも拿捕を強行している。 ヘジョさんは逮捕直前の航海日誌で「われわれはこれから訪れる事態の準備ができている。船は任務が終わりに近づいていることを知っているような気がする」として、「ガザ地区のすぐそばに近づいた。われわれは闘う数千隻の船の1隻だ。われわれは進み続けるだろう」と書いた。 連帯団体の「カンジョンの友だち」と「開拓者たち」はこの日、在韓イスラエル大使館の前で記者会見を開き、「在イスラエル大使館は拘束者にただちに面会し、弁護士の助けを得られるようにせよ」として、「韓国政府と国会はイスラエルの国際法違反と人権侵害を強く抗議せよ」と要求した。 イスラエル政府がヘジョさんに虐待行為をする可能性もある。これに先立ち2~3日、イスラエル軍に拘束されたスウェーデンの気候変動活動家グレタ・トゥーンベリさんら「グローバル・スムード船団」の活動家たちが、拘束の過程で虐待行為を受けているという証言が出ている。 ロイターとAFP通信の報道によると、4日、トルコの空港で米国人活動家のウィンドフィールド・ビーバーさん(43)は「トゥーンベリさんが突き飛ばされ、無理やりイスラエル国旗を身に付けさせられる姿を目撃した」と取材陣に語った。同じ場面を目撃したマレーシアの活動家のハズワニ・ヘルミさん(28)も、拘束された人々は清潔な食事や水が与えられず、薬や所持品を没収されたとして、「災害のようだった。イスラエル軍はわれわれを動物のように扱った」と付け加えた。 船団の参加者に法的支援を提供するイスラエルの法律団体「アダラー」(Adalah)は、一部の拘束者が、弁護士の面会や飲食物の提供、薬やトイレの使用などを制限されたと明らかにした。一部の参加者が「パレスチナを解放せよ」と叫んだ後、日光のもとで少なくとも5時間、ケーブルで両手を縛られた状態でひざまずくよう強要されたと、AFPは報じた。 イスラエルはアダラー側の主張をすべて否認したが、拘束施設を担当するイスラエルのイタマル・ベングビール国家治安相は5日、「テロを支援する者は誰もがテロリストであり、テロリストに与えられる環境と同じ扱いを受けなければならない」として、過酷な行為を認める趣旨の発言をした。 韓国人連行の知らせを受け、韓国外交部は「在イスラエル大使館を通じて、韓国国民が迅速かつ公正な手続きを経て早期に釈放されるよう、イスラエル当局に要請を続ける一方、必要な領事による援助も積極的に提供していく」と明言した。外交部はこれまで、「モニタリングをしながらイスラエル当局とも意思疎通を続け、イスラエル側の対応の過程で韓国国民が被害を受けないよう留意するよう求めてきた」と付け加えた。 イスラエル外務省は、6日までに拿捕されたグローバル・スムード船団の船舶42隻に乗船していた活動家478人のうち171人を追放したと明らかにした。相次ぐ拿捕と拘束にもかかわらず、イスラエルによる海上封鎖を突破しようとする救援船団の試みは続いており、千隻のマドリーン号は11月にふたたび船団を送る予定だ。 キム・ジフン記者 (お問い合わせ [email protected] )

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする