●空き家の貴金属や仏具狙い 邸宅侵入の疑い 能登半島地震の被災家屋を狙い、金品を盗む事件が七尾市や中能登町で相次ぎ、七尾署と石川県警が邸宅侵入の疑いで複数のベトナム人を逮捕していたことが9日、捜査関係者への取材で分かった。両市町では貴金属や仏具、金庫などが盗難に遭っており、窃盗グループが能登に入り込んだとみられる。同署などは余罪を追及するとともに、他にも共犯者がいないかを調べている。 捜査関係者によると、8月、七尾市田鶴浜地区で指輪やネックレスなどのアクセサリーが盗まれる被害があった。七尾市、中能登町では今年に入り、被災して空き家となった家屋から金品が盗まれる被害が約20件確認されているという。 これを受け、七尾署や県警はパトロールを強化。ベトナム人が窃盗目的で住宅に侵入したことを特定し、逮捕に至ったという。窃盗グループは、住民が避難し、人が住んでいない家屋などで犯行を繰り返したとみられる。 地震の被災家屋を狙った窃盗事件では、石川、富山など5県警の合同・共同捜査本部が昨年にベトナム国籍の男5人を逮捕。石川、富山を含む8県で計170件の窃盗を重ね、被害額は約2500万円に及んだ。5人は「泥棒がしやすいと思って被災地に行った」などと供述していたという。