<独自>走り屋、デコトラ 違法改造車の車検通す見返りに現金 整備会社の元代表を追送検

改造車や旧車の車検を不正に通す見返りに現金13万円を受け取ったとして、大阪府警交通捜査課は20日、道路運送車両法違反容疑などで逮捕していた自動車整備会社「古市モータース」(大阪府羽曳野市)の元代表取締役の男(59)=同府富田林市=を、加重収賄容疑で追送検した。捜査関係者への取材で分かった。 同課は20日までに、計9台の車検を巡って、不正を依頼したり車の所有者に元代表を紹介したりしたとして、ほかにも男女13人を贈賄や道路運送車両法違反容疑などで逮捕、書類送検している。 元代表の逮捕、送検容疑は、昨年8月上旬~同年10月下旬に9台の車検を不正に通した上、うち5台について、必要な整備をせずに虚偽の保安基準適合証を作成した見返りに「技術料」などとして現金計約13万円を受け取ったとしている。 古市モータースは国指定の民間車検場。当時は同社の代表だったため、道路運送車両法で「みなし公務員」となり、収賄罪の対象となる。 捜査関係者によると、9台のうち4台は、いわゆる「走り屋」用に違法に改造した車。ほかは派手な電飾を施した「デコトラ」と呼ばれる改造トラックや、部品交換や修理で比較的費用がかさむとされる旧車など。 こうした車であっても、元代表がそのまま車検を通してくれるとの情報が一部で広がっていたとみられる。元代表は、不正車検を行う際には同社の店舗に車を持ち込まず、コンビニや道路上で所有者とやり取りしていた可能性がある。府警の調べに対し「10年前から不正車検を行っていた」などと話しているという。 同課の捜査員がインターネット上で、違法改造車で暴走行為をしている動画を見つけ、不正車検の疑いが浮上。府警は今年3月、道路運送車両法違反容疑などで元代表を逮捕。その後も同容疑で再逮捕するなどして、見返りを受け取ったかどうかを調べていた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする