過去最悪、特殊詐欺被害4億5千万円超 警察、検察かたる手口急増/青森県内2025年

青森県警が今年1~10月に認知した県内の特殊詐欺被害額が計4億5千万円を超え、過去最悪だった2014年の年間被害額を上回ったことが29日、県警への取材で分かった。警察官や検察官をかたる詐欺が急増しているのが要因。特殊詐欺に分類されない「SNS(交流サイト)型投資・ロマンス詐欺」も増加が続いており、両者を合わせた被害額は約12億円に達している。県警は「異常事態」と危機感を強める。 県警によると、29日夕までの今年の特殊詐欺の被害額は約4億5919万円、被害件数は124件に上っている。昨年1年間の被害額は約1億7578万円、件数は97件で、今年は額、件数とも既に大きく上回った。 昨年から広がり始めた警察官や検察官などを名乗る詐欺は「あなたの口座が犯罪に使われた。調査が必要」などと話して現金をだまし取る手口だ。「逮捕する」と不安をあおるケースもあり、LINE(ライン)のビデオ通話で偽の警察手帳や逮捕状を示して信用させる手法もある。今年の被害124件のうち約4割に当たる52件がこの手口で、被害額は2億7605万円に上る。 こうした手口が広まる背景として、県警生活安全企画課の大野吉康次長は「だまされた方の多くは『特殊詐欺が広がっていること自体は知っていた』と答えている。一方で、具体的な手口を知らない人が多い」と指摘。被害防止のため「引き続き、具体的な手口の周知に尽力する」と強調した。 詐欺事件を捜査する県警捜査2課の土岐博紀次長は「警察がビデオ通話で取り調べをしたり、金銭を要求したりすることはない。そのような連絡があった場合は詐欺を疑ってほしい」と呼びかけている。

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