【ブラジル】リオで掃討作戦の対象となった犯罪組織とは

リオデジャネイロで28日(火)に行われた「オペラサォン・コンテンサォン(封じ込め作戦)」の目的は、組織コマンド・ヴェルメーリョの拡大を抑え、180件の捜索・差押令状と100件の逮捕令状(うち30件は作戦の協力州であるパラー州で発付)を執行することにあった。 しかし、作戦の主要標的であり、コマンド・ヴェルメーリョの主要な指導者の一人とされるエヂガール・アウヴィス・ジ・アンドラージ、通称「ドッカ」は逮捕されなかった。 ヴィトール・サントス公安局長は、それにもかかわらず作戦は成功だったと述べ、113人を逮捕したことを強調した。押収品の中には、資金洗浄の手口を明らかにし、警察の捜査に役立つ可能性のあるハードディスクも含まれているという。 フルミネンシ連邦大学(UFF)の「新しい非合法性研究グループ(Geni)」とNGO「フォーゴ・クルザード」(銃撃戦・発砲事件を市民からの通報やデータで記録・公開する団体)が昨年発表した調査によると、コマンド・ヴェルメーリョは2022年から2023年にかけて大リオ圏で唯一、支配地域を拡大した犯罪組織だった。拡大率は8.4%に達し、同組織は、元警官らによる準軍事的犯罪組織を上回り、地域の犯罪支配地域の51.9%を占めるに至った。 調査はまた、コマンド・ヴェルメーリョが2021年に民兵に奪われた242平方キロメートルの支配地域を取り戻したことを示している。その年、犯罪組織による支配地域のうち46.5%は元警官らによる準軍事的犯罪組織、42.9%はコマンド・ヴェルメーリョの支配下にあった。 作戦では数トン規模の麻薬が押収されたが、正確な量はまだ明らかにされていない。これについてクーリ氏は、麻薬はもはや組織犯罪の主要な資金源ではないと認めた。 「現在、麻薬は派閥の収入の10〜15%程度にすぎません。彼らは領域こそが収益、金銭、経済的搾取の源泉であると認識しています。つまり、その内部にあるあらゆるものを利用するのです。インターネット、ガス、電力、水道、違法建築、地域内の商店主や住民への恐喝など。コマンド・ヴェルメーリョが行っているのは、まさに領域の経済的搾取なのです」と述べた。 また、ペーニャおよびアレマン複合地区での作戦が事前に漏れていた可能性について問われたサントス公安局長は、深刻な漏洩はなく、作戦の目的は達成されたと述べた。 「この規模の作戦では、2,500人の警察官を動員するため、当然ながらその動きから誰かが察知することはあります。また、この規模の人員であれば、大規模な複合地区で実施されることは明らかです。我々が確認しているのは、目的を阻害するような重大な漏洩、いわゆる“質的な漏洩”はなかったということです」と語った。 拷問の痕跡 前日から、警察官による拷問や投降した人々の処刑があったのではないかとの疑問が相次いでいる。これに対し当局は否定し、法医学研究所(IML)の鑑定で確認されると説明した。クーリ文民警察局長は、遺体から衣服や軍靴が取り除かれたとされる件について、訴訟詐欺罪の可能性を調べる捜査が開始されたと明らかにした。負傷痕については「警察官によるものとは限らない」と述べた。 29日(水)、州治安部隊が28日(火)に実施した「コンテンソン作戦」の後、住民によってペーニャ複合地区の森林地帯から約60体の遺体が発見・搬出された。遺体は地域中心部のサン・ルーカス広場に集められた。 遺族によると、遺体には拷問の痕跡が見られ、また犠牲者が投降していたにもかかわらず犠牲となったことを示す証拠も家族の手に渡っているという。 (記事提供/Agencia Brasil、構成/麻生雅人)

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