著名弁護士、立花孝志容疑者の逮捕は伊東市長選も影響との見解「当選されたら捜査さらに長引く」

元大阪地検検事の亀井正貴弁護士は10日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演。 斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題を追及し、1月に亡くなった元県議の竹内英明氏(当時50)の名誉を傷つけたとして、名誉毀損(きそん)の疑いで兵庫県警に逮捕された政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)について言及した。このタイミングでの逮捕となったことについて、立花容疑者が立候補の意思を表明していた静岡県伊東市長選の影響を指摘した。 立花容疑者はX(旧ツイッター)投稿や記者会見で、田久保真紀前市長の失職に伴う伊東市長選(12月7日告示、14日投開票)への出馬意思を表明していた。立花容疑者が逮捕されたタイミングについて問われた亀井氏は、「もし、伊東市長に当選されたら(捜査は)そこからさらに長引く可能性がある」と指摘。立花容疑者がNHK契約者の個人情報を不正に入手しネットに投稿した罪などで、2023年に懲役2年6カ月、執行猶予4年の有罪判決が確定していることを念頭に「立花容疑者の場合、再来年の3月ごろに執行猶予が切れてしまう。この(執行猶予)期間中に判決をとらないと、たとえば、この期中にもし実刑が出れば、2年6カ月にプラスして、本件についての判決が合わされる」と述べた。 その上で「例えば、本件でもし1年4カ月なら合わせて4年となる。ここは、立花容疑者としては恐らく引き延ばそうとすると思うので、捜査機関としてはこの(執行猶予)期間中になんとかしたい思いもあったと思う」とも指摘した。 また「(県警は)今回は(市長選に)立候補していることを前提に(捜査に)入っている。かつては、政治への影響を与えるということで捜査機関は抑制してきたが、今回は踏み切った。これは非常に重要な先例になる」とも指摘。「表現の自由は大事ですが、捜査機関はあまりにも自己規制はしてはいけない」と訴えた。 県警が「重大事犯」ととらえていることを指摘されると、「人が死んでおり、非常に悪質だ。(立花容疑者が受けた有罪判決は)罪名は違うが同じような事案ですから、いわば同種事案の執行猶予中の再犯。原則としては、法律的には執行猶予をつけられる可能性があるが、実務的にはダブルの執行猶予はつけない」と指摘。「常習性が認定されて悪質事案を捕まえ方をしたのだろう」とした上で、「原則として、原則の可能性は高いといえると思う」と述べた。 立花容疑者の逮捕容疑は昨年12月13~14日、大阪府泉大津市長選の街頭演説で「竹内議員は、警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」と発言。1月19~20日も交流サイトや埼玉県川越市議補選の応援演説で「竹内元県議は逮捕される予定だったそうです」などと虚偽の情報を発信し、竹内氏の名誉を傷つけた疑い。これらの情報がSNSで拡散されると、県警は今年1月に情報を否定。立花容疑者は謝罪した。 県警は容疑者の認否を明らかにしていない。竹内氏の妻が、立花容疑者の発言内容は虚偽として6月に刑事告訴していた。

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